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いつから始める?どうやって教える?発達にあったひらがなの教え方

「あひる」は読めるのに「ひ」は読めない!? それはパターンとして覚えているから

(沢井佳子先生)

3歳前後の子どもは「あひる」という字が読めても、「ひ」が読めないということがあります。

それは文字を読んでいるのではなく「あひる」という3文字の形のパターンを認識し、形全体に、「アヒル」という音を当てて覚えているためです。

それは、ひらがな文字が読めることとは異なります。

ひらがな文字を読むには、「アヒル」という音のかたまりを、「ア・ヒ・ル」と音節に分解し、1音節に1文字のひらがなを、「あ」「ひ」「る」と対応させる必要があります。

こうした「音節分解」を理解する遊びとして、おうちのかたが、1音節に1回手をたたきながら、「ア、ヒ、ル」と言って、音節を区切る見本を示しましょう。ひらがなの「あ」が「ア」を表し、「ひ」が「ヒ」を表す「表音文字」であることを、確認する過程が大切なのです。

音節分解ができるようになれば、「音」と「ひらがな文字」との対応が理解されます。

音節分解ができたら、次は「しりとり」遊びを通じて、「単語の頭の音と、末尾の音」に注意しながら、言葉をさがす課題へとステップアップして学んでいきましょう。

このときに大事なのは、手や体などで、五感を使って、たたく動作や足のステップなど、大きな動きとセットにして、文字を覚えていくということです。言葉の学習に、動作を加えることで、記憶はいっそう定着しやすくなるのです。

また、3歳頃はひらがなだけでなく、いろいろなことを体験して、思考のレパートリーを広げたいものです。周囲の物や人と関わり、いろいろなことを体験することで、子どもはものごとの「違い(差異)や同じ(共通性)」を見つけて、言葉の意味(概念)を考える思考ができるようになるからです。

「違うところは何か?」「同じところは何か?」という、行ったり来たりの判断の過程で、子どもは知識を積み上げ、経験から得た知識と言葉で考えた知識とをつなぐ、柔軟な思考力をみがいていくことができるのです。

表象能力の高まり、それは「考える力」の土台

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