大きすぎて出てこられない!?
20時間の陣痛で身体も心もボロボロ状態になった頃、いよいよ出産の時を迎えました。
2週間前、38週での検診では「ちょっと大きめだけど普通分娩はできるサイズ」と言われていたので、私は迷いなく普通分娩を希望しました。
……で・す・が!!
どんなにイキんでも、赤ちゃんは出てきません。
というか、そもそもうまくイキめない!
なにこれ!!
なにこれ!?!?
どうやらお腹の赤ちゃんは、検診の通り大きめサイズらしく、私と赤ちゃんの力だけでは出てこられそうもないとのこと。そこで「吸引分娩」をすることになりました。
吸引分娩とは、赤ちゃんの頭にシリコンのカップを付けて引っぱり出す方法。
しかし、それでも出てきてくれません。
すると、いきなり担当医師(男性)が私の上にガバっと馬乗りに!!
何!? なんなの!?
このときの私は、陣痛やいきみの痛みなんかもうどうでも良くて、男の人に乗っかられてお腹をぎゅうぎゅう押されていることへの恐怖でいっぱいでした。怖かった……。
上から押して、下から引っ張る。
上から押して、下から引っ張る!
上から押して、下から引っ張る!!!
そして、やっとやっと出た!
「産まれた」というより「出た」!!
・・・おっきい! めっちゃおっきい!
計測してみると、なんと4045g!
看護師さんたち大盛り上がりです。
「もう1回計測してみよう! きゃ〜、さっきより 増えてる! 4070g〜!!」
その場にいた全員、かなり盛り上がっていたのですが、私自身はもう目も開けられない状態で、看護師さんの「4070g」という声を最後に、みんなの声がどんどん遠ざかってゆく……。
とりあえず、赤ちゃんは大きくて元気だということだけ確認したところで意識を失いました。後処理もされていたようですが、まったく記憶になく、そのまま分娩台で2時間、昏睡していたようです。
ちなみに、あまりの壮絶な出産シーンに、そばで見ていた母は何度も「帝王切開にできませんか!?」と訴えていたんだそうです。
しんどかったビッグベイビーの産後
産後、分娩台の上で2時間昏睡状態だった私。
目を覚まし、看護師さんに「ベッドから降りられますか?」と聞かれたので「はい」と答えて……
ん??
ふと気づいたら、看護師さんにドスドスと背中を叩かれ「自分の名前、言える!?」と叫ばれていました。
貧血で気を失っていたようです。
あとで確認したら、出産時に600cc以上の出血があったようなので、その影響のようでした。
その後、車椅子で病室へ移動。トイレに行ったら、再び気を失う。というか、気を抜くとすぐに気を失うような状態でした。
貧血がひどいので、「血液を作るために、とにかくたくさん水を飲んで」と言われました。トイレに行くのも危ないので、尿管をつけて尿パックを装着。文字通りの寝たきりです。
分娩服からパジャマに着替えることができたのは(着替えさせてもらったのは)、出産から2日後。
シャワーを浴びることができたのは退院前日。入院してから7日目でした。
新生児室にも行けませんでした。赤ちゃんは、ときどき看護師さんが部屋に連れてきてくれて、授乳の練習をしました。
退院後もしんどかった
退院する頃もまだ貧血は改善していませんでしたが、貧血で入院してても仕方がないとのことで、退院後に近所の病院に通って鉄剤の注射を打ってもらう事になりました。
予定通り、数回は鉄剤注射を打ったのですが、ある時から「もう身体に針をさすのはうんざりだ!!」という気持ちになり、鉄剤を処方してもらって飲む形に変えてもらい、自宅では、なるべく安静にするよう心がけて過ごしました。
ビッグベイビーだったので、出産も産後も私の身体は本当に辛かったけれど、赤ちゃんは元気そのもの。もうそれで十分です。
こうして産まれてきたビッグベビーだった息子は現在7歳になり、先日、「お兄ちゃん」になりました!