【連載】ママライブラリー[003]
ナズナさん(仮名)プロフィール
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検診では至って順調!
第一子を妊娠したのは2010年秋。私が28歳のときです。
妊娠5カ月の頃に、東日本大震災がありました。里帰り出産を予定していましたが、私は福島出身。出産予定にしていた産院は被災地にほど近く、里帰り出産は叶わなくなってしまいました。
そこで、慌てて自宅周辺で出産できる産院を探すことになりました。当時はまだ、今のようにネットの情報も少なく、近所に相談できる人もいなかったので、自宅から少し遠かったのですが、親戚に紹介してもらった産院に通うことになりました。
妊娠中はひどいつわりと片頭痛で睡眠不足が続いていたり、余震のことなど精神的に辛いこともありましたが、お腹の子は我関せず!? 検診では毎回「至って順調」とのお墨付き。元気に育ってくれてありがたかったです。
検診中に破水! そのまま入院
妊娠40週を過ぎた頃の定期検診の日。内診台に上がった瞬間に破水! そのまま入院となりました。
福島に住む実母に連絡すると、すぐにこちらに来る準備をしてくれました。
余談ですが、母は実家で祖母の介護をしていたのですが、ふだん祖母が利用しているショートステイ先は避難の人で満員……。緊急で入れるところを探して祖母をお願いして、母は私のところに来てくれました。母がそばにいてくれたことは本当に心強かったのですが、祖母の臨時ステイなどでだいぶお金がかかってしまって申し訳なかったなと思っています。
さて、検診中に起こった私の破水は「高位破水」でした。
その後まったく陣痛がこなかったため、陣痛促進剤をどうやらたくさん打ち(このあたりから記憶が曖昧なのです!)、その後、陣痛が始まりました。
主人も来てくれましたが、まだまだ産まれる気配はないため、宿泊することに。ビーチベッドのような簡易ベッドを借りたのですが、寝苦しかったのか、夜じゅうギャーギャーとうなされていたので、「んもう、うるさい! 陣痛来てるのどっちよ!!」と思わず叫んじゃいましたよ……。
破水したらすぐ陣痛が来て、陣痛が始まったらすぐ産まれるよね〜!と楽観的に思っていたのですが、結果的に私の場合は、20時間も陣痛に苦しみました。
陣痛促進剤を打ったので、陣痛の波に間隔がなく、ずーーーっと痛い状態。吐き気もあって嘔吐を繰り返すのですが、食べられないので胃液しか出ない。身体を休ませるために今度は睡眠導入剤を入れる……と、もはや、わけのわからない状況でした。