今年の夏、初めて家族3人揃ってハワイはオアフ島へ行くことになりました。
主人が勤める会社の社員旅行なので航空会社やホテル、行き先などは選べませんでしたが、5泊7日の素敵な日程が組まれていました。
ですが、日本を出発したばかりの機内で、息子(2歳)に比較的強めの食物アレルギー症状が出てしまったのです。
以前グアムへ行った時にも、同じようにいつもより強いアレルギー症状が出たものの、そのときは自然に治まったので、今回もいつかは治まるだろうと完全に軽くみていました。
……が、その予想は大きく外れました。
今回は、その後の旅程を変更せざるを得ない状況になってしまったのです。
食物アレルギーがあるお子さんをお持ちの方にも、ない方にも、今後海外旅行へ行かれる時に何かの参考になるのではと思い、今回はありのままを書かせていただきました。
アレルギー症状の様子や機内の写真を掲載しております。
あまりきれいなものではありませんが、ご了承ください。
<1日目(8月5日)の機内>
成田空港を20時に離陸して2時間後、じんましんでボコボコに腫れた体や目をかきむしり、暗い機内で泣き叫ぶ息子を抱きかかえ、私は呆然としていました。
息子・タイには、卵白とクルミのアレルギーがあり、1歳8カ月の時に受けた食物アレルギーの血液テスト結果では
『クルミは最も食べてはいけないもの』
と言われていました。
なので、旅行前、航空会社(デルタ航空)には、卵とクルミのアレルギーがあることを伝え、機内食はベジタリアンミールをリクエストしていました。
離陸後にタイが口にしたのは、はじめに配られたピーナッツとりんごジュースのみ。
普段からも口にしていたし、アレルギーテストでも全く引っかからなかったこの2つを頭に思い描いては、何がおかしかったのかを必死に考えていました。
座席が後方だったので、トイレ周辺の広いスペースであやしていましたが、じんましんとパンパンに腫れていく耳や目、唇に怖くなり、かかりつけ医に事前にもらっておいたアタラックスP(抗ヒスタミン剤)を与えました。
普段ならばその薬でだいたい治まるのですが、今回は腫れやじんましんがまったくひきませんでした。
しばらく泣き叫んでいたタイを見て、日系CAの方が声をかけてくださったので事情を説明すると、機内に医療従事者がいるかアナウンスしてくれ、日本人の医師1人と看護師2人が来てくれました。
状況を伝えると、機内にある備え付けの薬を探してくれました。
ですが、すでに私が薬を与えていたこともあり、とりあえずはそのまま様子を見つつ、万が一を考え、着陸までは血管を確保するための点滴をすることになりました。
機内の1番後ろで、主人が泣き叫ぶタイを抱きかかえ、医師が点滴の針を刺そうとするのですが、小児が専門でないのと子どもの血管は細くてわかりづらいとのことで、なかなか針が刺さりません。
針が折れながらも血管をさがすために、抜いたり刺したり、刺したまま針を動かしてはタイの腕から流血する様子は、さすがに目を覆いたくなりました。
ここまでで、離陸後わずか3時間足らずの出来事です。
この後、着陸までの5時間点滴となれば、主人が抱っこしたままでは大変だろうとのことで、デルタ航空のご厚意でビジネスクラスの空いた席を使わせていただきました。
タイが泣き叫んでいたのは離陸から2~3時間後で、その頃すでに機内も暗くなっており、他の乗客の方は映画を見ているか、寝ている方が多かったようです。
医師、看護師2名、私たちがともにビジネスクラスに移動し、エコノミーとビジネスを仕切るカーテンに点滴の袋を縛り付け、様子を見ることになりました。
デルタ航空のCA(日系女性1人、白人男性1人、白人女性1人)も、交代しながら様子を見に来ては医師や看護師の方に他に必要なものはないか確認したり、私たちにも気遣ってくださりして、本当に素晴らしい対応でした。
(デルタ航空からは、このような事態での協力に感謝して、医師と看護師に150ドル分の航空券をそれぞれ渡されていました)
幸いにもタイはずっと寝ていたので、少し落ち着いていたようにも見えました。
それでもやはり顔中パンパンで、いつものおもかげはまったくありませんでした。
様子を見ている間に時間があったので、看護師さんの一人(お子さん3人、1人はタイと同じくらい)に海外旅行に持参する薬を聞いてみると
- ホクナリンテープ(気管を広げる)
- 下痢止め
- 解熱剤
- その他、その子に合わせた薬
とのことでした。
一方の私が持参していたのは、以前から医師より処方されていた
- インタール(食物アレルギー対策で、一時的に免疫をあげる粉薬)
- アタラックスP(抗ヒスタミン剤)
の2点のみでした。
解熱剤や整腸剤も考えたのですが、結局何かあったらその時に考えようと、持っていきませんでした。
今思えば、日本とは違う環境で、どのように作られたかわからない食べ物を与える親の責任として、あらゆる準備をしておくべきだったのかもしれません。
でも、薬よりも安全に食べられるものばかりが頭にあり、レトルト食品などを中心に準備していたのです。
そして、この時に看護師さんに言われたのは、事前に医師から処方された薬を持参する場合、薬の情報が書かれた紙も一緒に持参しておくといい、ということでした。
それぞれの薬が何gで配合されているのか、また、体重に対する薬の割合がわかるため、今回のように医師が小児専門でなくても参考になるので、ありがたいという理由だそうです。
(実際、機内にもいくつかの薬があったのですが、タイの体重に対してどれくらい与えれば良いのかがわからなかったために、結局は点滴のみの処置となったのです)
着陸までの数時間、医師と看護師の方はご家族と離れた場所で私たちのために一睡もすることなく付き添ってくださり、感謝と共に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
また、後でCAの方から聞いたのですが、機内で配られたピーナッツが作られた同じラインでは、
クルミも同じようにして作られている可能性があるので、もしかしたらそのせいではないか、とのことでした。
私たちがリクエストしておいたベジタリアンミールについても、よくよく考えるとベジタリアンはお肉などは食べませんが、ナッツは食べるので、全く安全ではなかったわけです。
もっとしっかり考えて伝えておくべきだったと思いました。
日本を発って約8時間。
ハワイへ到着してからもおさまることのない腫れ…。
着陸後の様子は、次回[中編]にてお伝えします。(続く)
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