この冬も、「RSウイルスが流行の兆しを見せてきました」というニュースが流れはじめました。
お恥ずかしながら私、「RSウイルス」「ヘルパンギーナ」「溶連菌」「アデノウイルス」「手足口病」といった、子どもを育てる中で避けて通るのが非常に難しい病名の数々を、産後しばらくまで、あまり意識せずに(というか、勉強せずに)いました。
同月齢の子どもたちのママが、次々と「RSにかかった!」「ヘルパンギーナだった…」と看病に明け暮れるようになった0歳時代の冬、むすめは特に大きな病気をすることなく乗り切ったことも、どこか「我が家には遠いこと」という考えにつながっていたのかもしれません。
「うちの子は、身体が強いのかしら〜」なんて気軽に構えていた私が間違っていました…。むすめは生後9カ月、梅雨の時期に、RSウイルスにかかり、はじめての入院となってしまったのです。
そのときの様子を、前後編の2本でお送りします。
周囲では、「風邪がはやっている」なんて声を聞かない梅雨の時期に、むすめは高熱が数日続きました。
▲このときは、「夏風邪に負けちゃったかな?頑張れ!」というくらいに思っていました。
熱はあるものの、機嫌良く過ごしたり母乳もしっかり飲めていたので、きっとすぐよくなるな〜なんて思っていたある日。とつぜん病状が悪化しました。
相変わらず高熱は続いているうえ、咳がひどくなり、嘔吐を繰り返すようになったのです。
母乳もイオン水も、体内に入れるとそのまますぐ嘔吐。水分が、全くとれていません。
たくさん飲むと吐いてしまうので、イオン水を5分おきにスプーン1さじずつ、おくちに含む…ということを繰り返していましたが、まだまだ赤ちゃんのむすめは母乳を要求します。
3分だけ…ときめて母乳を飲ませると、精神的には落ち着きますが、その後すぐに、必ず吐いてしまいます。
▲高熱と嘔吐でのどがカラカラのむすめは「もっと飲みたい」と悲鳴のように泣いていました。脱水の症状が強いと、どんなに泣いても涙が出てこなくなります。
咳・嘔吐・高熱が続き、視点も合わなくなってきたので、不安になり、救急外来のある大学病院へ駆け込みました。週末だったため、かかりつけの小児科は休診でした。
そして、そこでの検査の結果は、「RSウイルス陽性」。
診断されたときには「え? RSって冬の病気じゃなかったっけ?」と耳を疑いました。
…といって、聞きかじった程度の知識で、そもそもRSウイルスがいったいなんなのかをきちんと理解していなかった私に、担当医師はていねいに教えてくれました。
医師の説明を箇条書きでまとめると、次の通り。
- 特別な病気ではなく、「冬の咳(呼吸器系)の風邪の一種」である
- 冬に大流行することが多いが、夏にかかる子も増えてきている
- 風邪なので、感染すれば何度でもかかる
- ほとんどの乳幼児がかかる風邪だが、多くは、熱や鼻水という、ごく一般的な風邪の症状のみなので、気づかないことが多い
- ただの鼻風邪だと思い込んでRSウイルスと気づかないために、感染が拡大しやすい傾向にある
- 症状が悪化すると咳がひどくなり、それによって、呼吸が苦しくなったり嘔吐を繰り返すこもある
- 咳込みによって、血中酸素濃度が低下することがあり、その場合は、入院の必要が発生する場合がある
- ワクチンや特効薬はなく、対症療法(薬で症状を和らげつつ回復を待つ)となる
むすめの場合は、
- (1)数日間の熱風邪
- (2)症状の悪化
- (3)咳と嘔吐を繰り返す
- (4)検査の結果、RSウイルス陽性
- (5)血中酸素濃度の低下(80%台前半)
…と、前述の医師の説明そのもので、入院決定となったのです。
この後、入院中にどのような処置がされたか、また退院後の様子は、『発症から完治まで約1カ月! 0歳9カ月で初めての入院「RSウイルス」体験記[後編]退院後も咳は続く……』でお届けします。
*本記事は、担当医の言葉の引用と、入院中に独自に調べた内容をもとに構成した病気の「体験記」です。そのため、すべての方にあてはまる内容ではないことをご了承ください。体調に不安を感じたら、かかりつけ医にご相談ください。
▲記事中の写真でむすめが脇の下の保冷に使っているのは、これ。かなり便利!
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