夏の暑さが落ち着き、秋色づいてきた今日この頃。親子で美術館や博物館に足を運び、芸術の秋を楽しんではいかがでしょうか。
でも、「どんな美術館・博物館を選べばいいの?」「うちの子すぐ飽きちゃうから、行っても楽しめるのかな?」など、踏み出すのに少しだけ勇気がいることも。
そこで、「スーパー保育士」で、現在は子育てに関する研究・執筆・講演活動を行っている原坂一郎さんに、「親子で芸術の秋を楽しむ方法」について、お話を伺いました。
雰囲気を味わうだけでもOK!
美術館・博物館の選び方
「恐竜展」「昆虫展」など、ふだん子どもが興味をもっていることや興味が出そうなものを子供と相談してみましょう。
好きなキャラクターの「アニメ展」などでもよいと思います。
博物館ほど高尚ではないかもしれませんが、似たような雰囲気は味わえるので、その経験が美術館や博物館への興味へと移ることもあります。
また、子どもが興味がなさそうなところ、例えばおうちのかたが行きたい美術館や博物館に行く、でもよいと思います。
それがどんなところでも必ず、子どもが興味をもつ事柄がひとつぐらいあるはずです。
例えば、美術館の建物自体の構造や模様、特定の絵や作品でもよいですし、売店でもよいのです。子どもが興味をもったならそこにおうちのかたが「共感」をしてあげることが大切です。
ぜひ、子どもの話を聞いてあげてくださいね。
「公共のマナー」を教えるチャンス
博物館や展覧会といった場所に連れて行ったときは、子どもの様子も観察してみましょう。
予想外の我が子の行動や様子を知ることができるのが、ふだん行き慣れていない美術館・博物館ならではの発見ですし、ほかの場所ではなかなか見ることがない、親も知らなかった子どもの一面を知ることができたりします。
子どもはいつもと違う場所で、いろんなことをしでかしてしまうかもしれませんが、その際は「叱る」のではなく、マナーを「教える」・「伝える」場と捉えましょう。
教えたくなってもぐっと我慢!子どもなりの発見や感動を大切に
展示物の見方では、ひとつアドバイスがあります。
おうちのかたは、「あれ見て!」「ほら、こっちこっち!」などと、自分が感動したものを子どもにも見せようと、あれこれ子どもに声をかけがちですが、子どもは、子どもなりにいろんなものを見ています。
その中で、子どもなりの発見や感動があります。
子どもと大人では見るポイントが違うので、感動点も違います。親の感動の押し売りはせず、自由に見せてあげましょう。
また、次々目移りするわが子の様子を見て、親は「うちの子は飽きっぽいな」と思いがちですが、子どもは「飽きやすい」のではなく、「満足するのが早い」のだと思います。
一つのものを見てもものの10秒で次に移りたがりますが、それに満足して次に行こうとしているのだと理解してあげてください。子どもはその10秒で十分に感動を味わっていますよ。