長男は慎重派
何か新しいことを前にすると、即行動するよりもまず、自分の手に負えるのか、どんな風にやれば上手くいきそうか、考えてみることが多いです。
そんな息子も年長になり、学級活動でもいろいろな遊具や体遊びに挑戦する機会が増えました。
例えば学級活動でうんていをするときに、性格がチャレンジングな子や、前から遊びの中で練習していた子はすいすいやってみせます。
それらを見て気後れし「僕はいいや」と引いてしまう息子に、
「とりあえずどんなモノかなって感じで、気楽に触ってみたら?」
と伝えたい。
けれど、ずばり言ってしまうと反発されるのであまり言えません……。
ある日、何気なく息子に、「いーくんって、自分に自信ある?」と聞いてみました。
「自信ってなに?」
「自分ってすごいな、カッコイイなって思う気持ちのこと」
「あ~……。 (苦笑いで伏し目がちに)自信、ないなぁ」
この答えに、ガーーーン!!となった私。
親バカですが、いーくん良いとこいっぱいあるのに!?
幼児って自分が一番!って思ってるもんなんじゃないの!?とショックで。
なんだか最近、何かと「いーくん、足遅いから…」などと言ったりするのも気になります。
そこで、考えました。
名付けて、「がんばりマンギャラリー」!!
何かができたことはもちろん、新しく挑戦したこと、頑張ったことなどを写真に撮って、いつでもこどもたちの目に入るように自宅の壁に貼り、小さなギャラリーコーナーを作りました。
2歳の娘も、発達に伴っていろいろなことをしてみせてくれるので、堂々とギャラリーに入っています。
真剣なとき、誇らしげなときは、やっている最中はわかりませんが、こうして写真にして見てみると、どれもとってもいい表情です。
息子も、ギャラリーをじっくり眺めて「これさぁ、大変だったんだよね~」なんて言いながら嬉しそう。
ギャラリーに貼る写真は、特別に頑張ったことでなくても、携帯に保存されている何気ない日常のものも選びました。
凧揚げで遊んでたくさん走ったとか、兄妹仲良くベランダプールをしたとか、縁石の上を歩いたとか。
日常的で些細なことこそ「頑張ったこと」としてピックアップしてあげると「毎日意外に頑張ってるなぁオレ(わたし)」という気持ちになれるかなと思います。
ギャラリーはフォトアルバムにも
壁だとスペースに限界があるので、「しまうまプリント」という印刷屋さんでフォトブックを作り(安いんです!)、これもいつでも手に取れるようにリビングに置きました。
娘は、やっと自分のアルバムを作ってもらえたと思っているようで、いつも喜んで眺めています(ごめんよ~…早く娘のアルバム作るよー!)。
何かを成し遂げることだけが、カッコいいのではなく、やったことは必ず上手にならなければいけないわけでもない。
だから肩の力を抜いて、
やってみたこと自体がすでにカッコイイ、
試行錯誤すること自体がすごいこと。
自分は普段からこんなにいろいろなことを頑張っているんだ、すごいなぁ。
そんな気持ちが持てるようになれるかな、と期待をこめます。
「がんばりマンギャラリー」の、こどもたちのいい顔を眺めていると、こどもたちの毎日が、前向きで明るい出来事の積み重ねで作られている気がしてきます。
なーんだ君たち、良い人生歩んでいるじゃない、とほのぼのします。
子どもにとって、自分の日常的な写真が飾られるということには、「今のあるがままの自分」をポジティブな眼差しで認めてもらっている経験になるのかなと思います。
がんばりマンギャラリーを通し、実は日常のなかに達成体験がたくさんあったんだよって事に気がついて、
「自分ってけっこうイケてるな」
「なかなかやるじゃん」
という自信につながると嬉しいです。
その後、息子がどんな成長を見せたか、また、息子の一件に関連して「達成体験」と「自己効力感」について学んだこと、そして、息子への効果的な声掛けについて考えたことは、[後編]でお伝えします。