前回、『ママが知りたいお金の話[12]医療保険を考える前に知っておきたい健康保険制度』では、国の健康保険制度について見てみました。
とても心強い制度ですが、子育て世代のパパ・ママは「もう少し手厚く備えたい」という思いもあると思います。
そこで、医療保険をどうやって選べばいいかを何回かに分けて考えてみましょう。
医療保険を選ぶときにまず考えなければならないのが、入院日額です。
入院日額というのは、ご存知のとおり「入院1日につき保険からいくらもらえるか」という金額のことです。
5000円や1万円というのがCMやパンフレットなどでよく目にする金額ですし、なんとなくその金額で加入している方も多いと思います。
では、実際には入院1日あたりどれくらいお金がかかるのでしょうか。
生命保険文化センターの平成25年度の調査によると、入院1日あたりの自己負担額の平均は2万1000円だそうです(高額療養費制度適用後)。
それなら入院日額は2万円必要なのかというとそうではありません。
例えば、上記の入院1日あたりの自己負担額の平均金額には手術の費用も含まれていますが、医療保険では一般的に入院給付金とは別に手術の内容に応じて手術給付金というのが出ます。
また、差額ベッド代や先進医療の技術料といった、必ずしもかかるわけではないものも含まれています。
一方で、入院中の日用品費やお見舞いのための家族の交通費など、上記の金額には含まれていない支出もあります。
特にママが入院すると、外食が増えたり、コインランドリーを利用したりと、治療とは別のところで出費がかさみがちです。
これらすべてを保険で準備しようとすると、どんどん保障が大きくなってしまい、保険ビンボーになりかねません。
そこで、「差額ベッド代を保険でまかなえれば個室で気兼ねなく治療に専念できる」とか「ママの入院中、パパの家事負担を減らすために、家族の食事代くらいは保険でなんとかしたい」というように、どこを保険でカバーしたいのかを具体的にイメージしてみるのがオススメです。
ここだけは!という部分に絞って保険に加入すれば、保険のムダを減らせます。
そして、節約できた分は貯蓄に回しましょう。
貯蓄ならば入院時はもちろん、入院給付金の出ない自宅療養の場合にも使えます。
さらに、保険は病気やケガをした時にしか受け取れませんが、貯蓄なら病気やケガの時だけでなく、元気でいた場合には楽しむために使うこともできます。
貯蓄とのバランスも考えて、入院日額を考えてみてくださいね。
ちなみに、入院日額は5000円単位だと思っていませんか?
実は一般的には1000円刻みなんです。
4000円や7000円という契約も可能なので、ぜひ一度自分に必要な金額を考えてみてください。