春からお子さんが幼稚園や保育園に入園する方も多いと思います。
指定サイズのバッグを作ったり、持ち物に名前を書いたりと入園準備を始めているママも多いハズ。
そんな入園準備について記載された書類の中に「幼稚園児(保育園児)総合補償制度」についての書類が入っていませんでしたか?
これってどんな制度なの? 入った方がいいの? と思っているママのために、今日は「幼稚園児(保育園児)総合補償制度」について解説します。
幼稚園児(保育園児)総合補償制度とは、幼稚園や保育園に通う子どもを対象とした損害保険のことで、保険会社によって、「幼児安全補償プラン」や「幼稚園総合補償プラン」などなどの名前で呼ばれることもあります。
詳しい補償内容は商品によって異なりますが、共通する主な補償内容は次の3つです。
(1)ケガの補償
子どもがケガをして入院、手術、通院、後遺障害、死亡した場合に保険金が受け取れます。
この「ケガ」には、園内や通園中だけでなく、家庭内やレジャー・旅行中(海外でも対象)、交通事故などの幅広いケガが含まれます。さらに、細菌性食中毒やウイルス性食中毒なども対象となるのが一般的です。商品によっては熱中症や特定感染症なども対象となる場合があるので、パンフレット等でよく確認してみてください。
また、一般の医療保険と違って、入院を伴わない通院も対象となるのが一般的です。生傷の絶えない子どもを持つ親としては心強い補償ですね。
(2)個人賠償責任の補償
他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりして、法律上の賠償責任を負った場合に補償されます。
子どもって思いがけず他人の物を壊してしまうことってありますよね。私も、デパートやスーパーで割れ物が置いてあるとヒヤヒヤします。そんなときに頼りになるのが個人賠償責任補償です。
この個人賠償責任保険、実は家族誰かが加入していれば家族全員(※1)が補償の対象になるのが一般的です。自動車保険や火災保険、ご家族の傷害保険等に特約で付けてあれば、新たに子ども名義で加入する必要はありません。
逆に、まだ家族の誰も加入していないのであれば、この保険に加入することでご家族全員の個人賠償責任が補償されます。
※1 家族とは、本人、本人の配偶者、本人または配偶者と生計を共にする同居の親族、本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子、を指すのが一般的です。
詳しい内容はパンフレット等でご確認ください。
(3)育英費用の補償
扶養者(※2)がケガにより死亡したり、所定の重度後遺障害が残った場合に、育英費用として一時金が支払われます。
※2 一般的に扶養者とは、親権者のうち、収入の多い方を指します。
この保険、加入が必須の園は手続をすればいいのですが、加入が任意の園もありますよね。さて、入った方がいいのでしょうか?
それは考え方次第です。
まず、ケガの補償について。
子どもがケガをした場合の出費を考えると、子どもが小さいうちは「乳幼児医療費助成制度」があるので、病院での医療費はほとんどかかりません。
だけど入院や通院するためには交通費がかかったり、仕事を休んだり、外食が増えたりと、医療費以外の支出が増えるかも知れません。貯蓄だけでまかなえるかちょっと不安、という人は加入を検討してみてもいいと思います。
次に、個人賠償責任補償について。
これはさっきも書いたとおり、家族の誰かが加入していれば家族全員が補償されます。なので、まずは自動車保険や火災保険、ご家族の傷害保険等の特約で付いていないかを確認してみてください。
最後に、育英費用補償について。
これはあればもちろん助かりますが、この保険だけで何とかなるものではないですよね。わが家に必要な保険の考え方はこれまでの連載でお伝えしていますので、ぜひそれを参考にして、必要に応じて別途、生命保険で準備すればいいのではないかと思います。
保険があると、なんとなく安心です。だけど、ある程度の額なら貯蓄でも何とかなることが多いです。また、保障・補償の内容がかぶってしまっていてはムダになってしまうこともあります。
どこまでを保険で備えるのか、どんな保障・補償が必要なのかをよく考えてから加入を検討してくださいね。
(mama記者・宮野真弓)