前回「ママが知りたいお金の話[07] 万一のときにもらえるお金って?」では、万一の場合に頼りになる遺族年金について確認しましたが、文字で読んでもなかなかイメージがわかないですよね。
そこで今回は、わが家は生命保険をいくらかければいいの? ということを、具体例を使って考えてみようと思います。
例
家族構成 |
夫 |
妻 |
長男 |
次男 |
年齢 |
36歳 |
34歳 |
2歳 |
0歳 |
職業 |
会社員 |
専業主婦 |
― |
― |
【現状】
- 年間生活費:200万円(住居費を除く)
- 夫の平均標準報酬額:35万円
- 住居:賃貸
- 家賃:月額10万円(内2万円は勤務先からの家賃補助)
- 貯蓄:300万円
- 平均寿命 男性:80歳 女性:87歳
【万一の場合】
- 家賃補助がなくなるので、家賃8万円の賃貸マンションへ引越す
- 翌年から妻が働く(年収100万円と仮定)
夫が36歳で死亡した場合の、残された家族の一生分の支出
内容 |
金額 |
死亡整理金(葬儀費用やお墓代など) |
300万円 |
次男が大学を卒業するまでの生活費(現在の7割が目安です)200万円×0.7×22年 |
3,080万円 |
妻の老後の生活費(現在の5割が目安です)200万円×0.5×{87歳-(34歳+22年)} |
3,100万円 |
住居費8万円×12ヶ月×(87歳-34歳) |
5,088万円 |
子ども2人の教育費(1人につき1000万円とする) |
2,000万円 |
その他 |
200万円 |
合計 |
1億3,768万円 |
夫が36歳で死亡した場合の、残された家族の一生分の収入+貯蓄
内容 |
金額 |
死亡退職金 |
200万円 |
遺族基礎年金(子2人の期間:長男が高校卒業まで)123万円×16年 |
1,968万円 |
遺族基礎年金(子1人の期間:長男の高校卒業から次男の高校卒業まで)100万円×2年 |
200万円 |
遺族厚生年金45万円×(87歳-34歳) |
2,385万円 |
中高齢寡婦加算(次男の高校卒業から65歳まで)58万円×{65歳-(34歳+18年)} |
754万円 |
妻の老齢年金(平成25年10月からの老齢基礎年金の満額は約77万円です)77万円×(87歳-65歳) |
1,694万円 |
妻の収入(次男1歳時から年間100万円とする)100万円×{65歳-(34歳+1年)} |
3,000万円 |
貯蓄 |
300万円 |
合計 |
1億501万円 |
必要保障額=「一生分の支出」-「一生分の収入+今ある貯蓄」 なので
1億3,768万円-1億501万円=3,267万円 になります。
つまり、この例の場合、3,000万円程度の死亡保障があれば安心だと考えられます。
例では、みなさんが実際にわが家に当てはめて計算できるように、数字の根拠や計算式をできるだけ載せています。それにプラスして、もう少し補足しておきますね。
- 死亡整理金:葬儀費用の平均は約200万円です。
- 教育費:子どもの進路によって金額が変わります。教育費っていくらかかるの?を参考にしてください。
- 死亡退職金:お勤め先、勤続年数などによって異なります。0~300万円程度を見積もりましょう。
- 遺族基礎年金:子の人数によって金額が変わります。万一のときにもらえるお金って?を参考にしてください。
- 遺族厚生年金:夫の平均標準報酬額によって金額が変わります。万一のときにもらえるお金って?を参考にしてください。平均標準報酬額が分からない場合は年額40万円を目安にしてください。
金額が分からない場合は、収入は少なめに、支出は多めに見積もるのがコツです。
今回の例では、家賃8万円の賃貸マンションへ引越すという条件にしてみましたが、もしも実家に帰るなら当面の住居費は不要ですし、生活費ももっと抑えられると思います。すでに住宅ローンを組んでマイホームを購入している場合は、団体信用生命保険によってローンが完済されるので、住居費は固定資産税や修繕費などだけですみます。
また、妻がどれくらい仕事をするかによって、収入が大きく変わります。すべてを保険で準備しようとするととても大きな額になる場合もありますが、妻が働くという選択も視野に入れておくことで、保障金額を大きく減らすことも可能です。
ちょっと面倒に感じるかも知れませんが、この記事を参考に、ぜひ一度わが家の必要保障額を計算してみてくださいね。
(mama記者・宮野真弓)