mama記者や読者のみなさんから届く「子育て中のお悩み」。今回も、[子育てQA]として、EQWELチャイルドアカデミーの浦谷裕樹先生にお答えいただきました。
【関連記事】
自分からお友達に話しかけることができない
自分から進んでお友達に話しかけるのが苦手で、本人もどうしたらいいかわからず悩んでいます。
親としてどうアドバイスすればよいか困ってます。(9歳・女児)
「きっかけ」があるなら話を聞いてあげて
お子さまがお友達に話しかけるのが苦手で悩まれているとのこと、親としても気になることだと思います。
きっと、お子さまは自分がお友達に話しかけたときの反応がとても気になっていて、自分のことを変な風に思われたくない気持ちが強いために、内気になっているのでしょう。
もし、お子さまが昔はお友達に話しかけることができていたのに、急にできなくなってきたのであれば、それは話しかけるのが苦手になるきっかけがあったのだと思われます。
その場合は、そのきっかけが何であったかが分かるまで、親がしっかりとお子さまの話を聞くことが肝心です。
お子さまの話を聞く際には、私たちが「繰り返し問答法」と呼んでいる方法を使うといいでしょう。
これは、お子さまの話を聞き、聞いたことを一度繰り返した後に一つだけ質問を加えて、さらに詳しい話を聞くという、カウンセリングで使われている手法を、子ども向けにアレンジした方法です。
これを繰り返すと、深いコミュニケーションをとることができますので、お子さまの問題のきっかけが出てくるまで根気よく繰り返し行いましょう。
そして、きっかけが分かったら、お子さまの気持ちをしっかりと受け止めるとともに、相手の気持ちを考えたり、自分がどう言われたら嬉しいかを一緒に考えたりして、お子さまの気持ちをなだめてあげましょう。
お子さまの気持ちの整理がついたら、再びお友達に話しかけられるようになることと思います。
「話しかける方法」を教えてあげる
もしお子さまが昔からお友達に話しかけるのが苦手だったのであれば、それは話しかける方法を知らない可能性があります。
その場合は、まず親が見本を見せることが必要です。
親が知り合いに話しかける様子をお子さまに見せたり、親がお子さまのお友達に話しかけて、お子さまとお友達が話すように持っていったりします。
そのようにして何度も人に話しかける見本を見せた後、「自分でも話しかけてごらん」とお友達に話しかけるのをサポートしてあげるようにします。
そして、もしうまくいったときにはほめ、うまくいかなかったときには「どうしたらうまく話せるようになるかな?」と一緒に考えたりすると、お子さまは試行錯誤しながら徐々に自分から話しかけられるようになることでしょう。
このようにお子さまに共感し、気持ちをなだめ、どうすればいいのかを見せたり経験させたりすると、お子さまがお友達に話しかけられるようになっていきます。
それに加えて、「自主性」や「共感力」「立ち直る力」など、今後大きくなってからも役立つ「EQ力」が身に付きます。お子さまの将来のためにも、今からこういった接し方を心がけましょう。
※「EQ力」とは、IQや学力などの認知能力と対になる非認知能力のことで、特にEQWELチャイルドアカデミーの卒業生で活躍している子どもたちに共通する人間力を指します。EQWELチャイルドアカデミーでは、幼少期に育みたい5つのEQ力として「自己肯定感」「やる気」「共感力」「自制心」「やり抜く力」を挙げています。
答えてくれた方:浦谷裕樹先生 EQWELチャイルドアカデミー 新未来教育科学研究所 主席研究員 工学博士・理学修士京都大学理学部卒業後、教育分野における能力開発に従事。専門学校講師、文部科学省委託プロジェクトメンバー等を歴任。2010年より現株式会社EQWEL転籍。以降、教育内容の研究開発に従事するかたわら、大阪工業大学大学院で研究活動を行い、同大学院より工学博士(生体医工学)授与。企業、学校、各種団体など大人向けへの指導・講演にも力を入れ、これまでの受講者数は1万人以上。EQにまつわる書籍も出版。 |