出産して3週間たったころ、ちょうど、産後の手伝いに来てくれていた義母が帰り、私も気分転換に外出してみたりと、赤ちゃんのいる日常生活にやっと慣れてきた頃、風邪でもないのに突然私は熱を出しました。めったに熱を出したりしないので「風邪でもないのなんでだろう? 授乳中なので薬も飲めないし……」と、出産した病院に電話してみました。
娘をとりあげてくれた助産師さんに相談すると「おっぱいがカチカチだったり痛くない?」と言われました。そういえば、最近右のおっぱいが熱っぽくて、一箇所だけ硬くなっているところがあります。いつもたぷり娘が母乳を飲んでくれているので、カチカチにはなっていませんでしたが、改めてみてみと、その硬い部分を中心に、右のおっぱいが赤く熱を持っていました。
正直、助産師さんに言われるまで気づかなかったんです……。「熱は風邪じゃないね、それ乳腺炎だよ、すぐマッサージに来られる?」といわれて、熱でボーっとしながらタクシーですぐに病院に行きました。
右側のおっぱいが乳腺炎の症状でした。おっぱいの詰まりはガンコだったようです。乳腺炎のおっぱいマッサージ。痛くて痛くて、出産で泣くことはなかった私が、涙をポロポロ流しながらマッサージを受けてました。助産師さんも「痛いよね、痛いよね、がんばって」と励ましてくれました。4日間マッサージに通って、なんとか熱も下がりました。
連日のマッサージで乳首もヒリヒリしているので、塗るタイプの「ハブ油」を出してもらい、授乳の後に塗っていました。「ハブ油」は赤ちゃんに影響があまりないので安心と言われましたが、ちょっと匂いがキツかったです。そんなハブ油の獣臭に負けずに娘は変わらずにゴクゴク母乳を飲んでくれました。
原因やその後の対策は、私の場合「とりあえず娘にどんどん母乳を飲んでもらう」というものだけでした。もちろん、食生活も原因だったのかもしれませんが、助産師さんは泣きながらおっぱいマッサージを受ける私に、乳腺炎になった食生活の問題を責めたり、制限したりすることはありませんでした。
今考えると、精神的にそれがとってもありがたかったです。でも「あんなに痛い思いをするなら、乳腺炎にならないようにしよう!」と身にしみた私は、和食中心の食事をとり、右おっぱいの同じ場所が固くなったら、自分でお風呂でマッサージをして、意識して娘に飲ませるようにしていました。
その後、娘が2歳6ヶ月で飲むのをやめるまで、「あれ、またちょっと詰まってる?」と思うことは何度かありましたが、発熱するまでの乳腺炎になることはありませんでした。
私が経験した『乳腺炎』の教訓は、「母乳の相談ができる助産師さんを見つけておく」、「とにかく赤ちゃんが飲むなら母乳を飲ませちゃう」でした。
産後3週間というタイミングだったので、娘と常に一緒で母乳もゴクゴク飲んでいたので、絞り方などのアドバイスは受けませんでした。これが、産後半年、1年、1年半とタイミングが違ったり、保育園に行き始めたりしたら、また助産師さんからのアドバイスも違っていたと思います。
泣くほど痛かったおっぱいマッサージも、今となっては、笑いながら話せる、忘れられない思い出です。
私の痛さをイマイチ理解できなかった夫には、「あなたの、お〇ん〇んの先をキューっと、ギューっと、30分グリグリされるのガマンできる!!」といったら、神妙な顔で理解してくれたようです。ちょっと言いすぎだったかもしれませんがw
(Cheers!mama編集部・まきためぐみ)