今回のおすすめ絵本は、『そのつもり (講談社の創作絵本)』です。
こんなストーリー
“そのつ森”という名の森に住む、すぐに“そのつもり”になってしまう動物たちのお話です。
動物たちは、「あきちを、どんなふうに使えば良いのか」ということをずうっと話し合ってきたのですが、なかななかなか決まりません。何年も決まりません。
いろんなアイディアが出るのですが、結局みんなで「いいねえ、それ。」となってしまい、ずうっとそれを繰り返し続けています。そんなお話です(笑)
私が惹かれた部分
この絵本を読んでいると、動物たちの「いいねぇ、それ。」という言葉と、想像した世界でゆっくりと穏やかな時が流れる絵が、なんとも魅力的で深く印象に残ります。
仲間のアイディア に「いいねぇ、それ。」って心から言えるのってステキじゃないですか?
そして、そのアイディアを頭の中にきちんと作り上げられる想像力って素晴らしくないですか?
想像するってこんなにエンターテイメントなんだなとか、共感って誰かをちょっとだけ幸せにすることができる魔法なんだな…とふと気づかされます。
この絵本を読みながら、動物たちと一緒に“そのつもり”になる時間はなんとも幸せな時間なのです。
生産性とは無縁だけれども、過程こそ大事だったり意味のある時間だったりしますよね…。
この絵本『そのつもり』を読んでいると、もう一生このあきちには、なにもできないで欲しいな。動物たちには、ずうっとずうっと「いいねぇ、それ。」と言い続けていてほしいな。といつの間にか願っている自分にもちょっと笑えてしまいます(笑)
親子で「いいねぇ、それ。」が口癖になれば、きっとちょっとだけ幸せの達人に近づけるような気がするのです。
幼児期から小学校低学年まで長く楽しめる絵本
荒井良二さんのゆるくてかわいい絵がメインの絵本です。言葉も優しく展開も分かりやすいので、ずっと未就学児向けの絵本かと思っていたのですが、「渋谷おすすめの本50 2021年版」では、小学校1〜2年生におすすめとなっています。
単純な展開でかわいいけど、意外と内容に深さがある絵本ということではないでしょうか?
幼児期に購入すれば、きっと長く楽しめると思います。
【関連リンク】
- そのつもり (講談社の創作絵本)(Amazon)