【連載】ほっこりびより[その10]
繊細で神経質で慎重な息子・いーくん(3歳)。
いつまでたっても手がかかりますが、時折見せる優しさにグッときます。
水槽で飼っていたエビの、最後の一匹が死んでしまいました。
息子と近所の公園にエビを埋めに行き家に戻ると、エビのいた水槽の前に、コアラのマーチのマスコットとままごとのほうれん草を置いていました。
エビの居ない水槽を眺めながら、こんな風に語りかけていました。
「エビちゃん、お菓子あげるね。
天国に持っていって皆でわけっこして食べてね。
ほうれん草も持っていってね。
お菓子はご飯の後に食べるんだよ甘いものだから。
お花になったらみちゅけてあげるからね。
わーきれいって言うからね」
「わーきれいって言うからね」
こんなに温かい弔いのことばがあるのか。
思わずもらい泣きする私です。
ある日のこと。
「赤ちゃんが2歳や3歳になったらいーくんのお洋服あげるの」
と言いました。
最近は、赤ちゃんにおもちゃ貸したくないとかポツリと本音が出るのに、無理しているのかなと思って「どうしてそんなに優しくなれるの?」と聞いたら
「赤ちゃんは1人じゃ何もできないしお話しもできないから、周りの人が優しくしてあげなくっちゃよ」
と少しお兄さんぽく、教えてくれました。
私が少しずつ母親になれたように、息子も葛藤しながら、少しずつ赤ちゃんの存在を受け入れてゆくのかなぁ…。
そしてまた別のある日。
突然息子が「針と糸したい」と言い出しました。
裁縫道具を貸すと、布の切れ端で何やら作り上げ、私にいいました。
▲息子作・お守り
「これはお母さんがいっぱい生きられるように見守ってくれる神様だよ」
別に、私、死ぬとか言ってないのに…お産の不安を見透かされているのかな?
けれど現実的に、もうすぐお産で命を懸けるのは本当のことなので、息子の作品は安産御守として身に付けることにしました。
ありがとう、がんばるよ。
さぁ、もうすぐ、妹の「さくちゃん」誕生です!