【連載】ほっこりびより[その11]
予定日を数日後に控えた明け方、不規則な陣痛がありました。
病院に電話をすると、「今から来るように」との指示です。
慌てて入院準備をし、実家の母(片道1時間)と夫(単身赴任中)に連絡をし、まだ眠っている息子を起こしました。
「いーくん、お母さん、今から病院に行く事になったから、一緒に行こう。」
不穏な空気を感じた息子は、
「いや」
の一点張り。
そんな息子を引きずるようにしてタクシーに乗り込み、病院に到着。
陣痛間隔は今どのくらいかと聞かれますが、測る余裕がなかったので全然わからない。
出産準備室で本陣痛を待つことになりましたが、情緒不安定な息子の対応で陣痛を感じ取る余裕もありません。
痛がると、息子が怯えるし…。
しばらくして、母が病院に到着しました。
立会い出産ではないので、息子を引き取って母と息子は自宅で待っていてもらいました。
夫は今病院に向かっているとのこと。
一人になり、ようやく本腰を入れられる!と思ったら、お腹の娘もそれを感じたのかいよいよ陣痛も本番に。
2人目となると、この後どれだけ痛くなるかを知っているので、痛みも恐怖も1人目の倍以上な気がします。
自然分娩推奨の病院なので、トラブルがない限り、産婦と赤ちゃんの自然な流れでお産を促されます。
自然な流れってことは、当然痛い。
ふつーに痛い。
痛さで死ねる!!!
悶絶する私の腰を、ベテラン助産師さんがさすってくれると幾らかラクになりました。
(この間夫が到着し、一度顔を合わせましたが、かなり強い陣痛中であまり記憶がない)
無我夢中の時間を過ごしたのち…
ついに、出産!!
出たーーーーー!
やった!!
泣いてる泣いてる!!
元気っぽい!!
私、生きてる!!
別室に居た夫をスタッフの方が呼びに行ってくださり、親子が対面。
カンガルーケアで、私の胸にちっちゃな娘を抱き、となりに夫が寄り添い、2時間を過ごします。
その間、夫とポツリポツリ話をするのですが……
次話、『うまれた!』に続きます。