言葉を話すようになってきたけれど、感情や希望をまだ正確に言い表せない2~4歳の子どもたち。
きっかけはなんであれ、自分の思い通りにいかないと、泣いたり叫んだりすることでその気持ちを表現しますよね。
でもその理由が大人にはわからない、そんなときが多いと思います。
カウンセリングの仕事をしているので、子ども達の行動をつい観察・分析してしまうのですが、この方法を発見してからイヤイヤ期の我が子が泣いて暴れても、99%の確率ですぐに落ち着かせることができています。
その方法はとっても簡単。
落としどころ(理由)を見つけてあげることです。
泣いている理由が明確ですぐに対応すれば、あっさり泣きやみますが、なんだかいろんな理由がこじれて、もう手がつけられなくなる。
そんな絶望的状況にとっておきの技です。
日常でちょっとしたことがトリガーとなり、突然泣き出し、なだめればなだめるほど、その勢いは増していく。
みるみる感情が高ぶり「世の中の全部がイヤだ!!」とでも言うかのようにギャンギャン泣いて暴れまくる。
大人には理由がわからず、「もうどうしたらいいの……」と途方に暮れる。
ましてや、それがお店や友達の家だったときは、恥ずかしいやらみっともないやら……。
そんな体験が(今となっては思い出ですが)、私自身何度もありました。
親として、大人として冷静に対応できれば言うことはないのですが、子どもが理由もわからず泣き叫んでいるとき、それを見ている親の脳もその激しい感情に無意識に共鳴し、本能(動物的な危険を察知する能力)が優位となるため、論理的思考ができなくなるのではないかと考えています。
つまり、思考停止状態。
「なんで泣いてるの?」
「いったいなにがしたいの?!」
「なにに怒っているの?!」
子も親も答えがわからず、お互い混乱してしまうのです。
この「絶望的なギャン泣きタイム」をどうにか解決しようと、大人がまずやってしまうのは、子どもに泣いている理由を求めること。
しかし実は大人が思っている以上に子どもは今を生きているので、ギャンギャン泣いて暴れている間に、なんと理由を忘れちゃっているのです!
ですから、いくら「なぜ泣いているのか教えて!」と理由を求めても、泣きやみません。
もはや理由なんてないのですから。
逆に「泣き止まないとおやつナシだからね!」と罰を与えても、火に油を注ぐだけ。
そんなときは、なんでもいいので「落としどころ(理由)」を見つけてあげみてください。
子どもがわかりやすい、それらしい理由があればなんでもOKです!
記憶を少し巻き戻して、視野を広げ、
「わかった! いつもは上手に使えるのに、今日は失敗しちゃったからイヤだったんだね!」
「そっか、だから悲しかったんだ。それで泣いているんだね」
と強引でもいいので、泣いている理由をみつけてあげるんです。
そうすると子どもは「そうか、わたしはその理由で泣いていたんだ」と自分の感情と行動の辻褄が合うので、混乱状態から抜け出し自然と泣き止みます。
さらに気持ちに「共感」してあげることで安心します。
また、何度か試しているうちに、「落としどころはなんでもいい」場合があることもわかってきます。
大人の論理的思考からして、「いやいや、それが理由で泣いていたわけではないだろう」と思うような理由でも、事実に基づいたそれらしい理由であれば、あっさり納得してしまいますよ。
たとえば…、
「本当はみんなと仲良くしたかったのに、一緒に遊べなくて困ってたんだね」
「お腹が空いていないのに、食べなさいって言われたから混乱しちゃったんだね」
というように、子どもなりの理想をより美しく肯定してあげると、効果は高い上に、同じポイントでイヤイヤしなくなってきます。
あまり大きく外しすぎると逆効果ですが、子どもは肯定されればされるほど、自信がつき、セルフイメージ(自分に対する評価)が高くなるからです。
大人も想像力を駆使して楽しみながら、試していただければと思います。
何度もやっていくと、子どもの傾向がわかってくるので、落としどころも見つけやすくなると思いますよ。
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