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「自家中毒」体験談[中編]緊張やストレスがきっかけの嘔吐症、やっと回復へ

 

[前編]なぜ!? 風邪ではないのに嘔吐を繰り返す1歳のむすめ』の続きです。

 


 

風邪の症状がないのに嘔吐を繰り返すむすめ。尿検査の結果、「ケトン陽性だったよ、自家中毒だね……」と、先生。

 

けとん? じかちゅうどく?

 

わたしが、初めて耳にした単語でした。

 

先生の説明によると、

自家中毒は、ケトンという物質が体内にあることで、吐き気をもよおしてしまう状態。

繊細な子や真面目な子が、新しい環境や緊張の前後になりやすい。

繰り返すことも多いので、また「あれ?」と思ったらすぐに病院へ。

……とのこと。

 

先生は、わたしを慰めるように言ってくれました。

 

「繰り返すと言っても、ずっとじゃないよ。小学校に入るか、長くても卒業する頃にはなくなることが多いよ」

 

そっか、いずれはなくなるのね…って、最長で小学校卒業まで!? 先がながいよー!!

 

そうこうしている間に、点滴の準備。むすめ、たった1年半ほどの人生で、もう何度目?という点滴です。

 

今回の点滴は、6時間という長丁場。

ゆっくりじっくり、そしてたっぷり点滴を体内に浸透させて、おしっこをたくさん出して、ケトンの値が下がるのを待ちます。

 

管がのびる小さな腕と、吐き気が止まらない身体をさすりながら、こんなに何度も点滴をしなくてはいけない状況になるなんて、わたしの育て方になにか大きな間違いがあるんじゃないだろうかと、心が張り裂ける思いでした。

わたしはあなたの母なのに、なんて無力なんだろう……。

いやでも、ここでわたしが泣いたところで、むすめが楽になるわけではない!と、点滴を頑張るむすめに笑顔でおしゃべりを続けたり、スマホで写真や動画を一緒に見ることが、わたしのできる精一杯でした。

 

点滴開始から1時間半ほどたたっところで、 吐き気止めが効き、水分が体内に入ってすこし身体が楽になってきたのか、むすめがウトウトしはじめました。

久々の穏やかな寝顔を見守りながら、スマホで「自家中毒」について調べてみました。

 

どうやら、「自家中毒」というのは、「アセトン血性嘔吐症」の別称のようです。

 

アセトン血性嘔吐症(アセトンけっせいおうとしょう、acetonic vomiting)は、過労、精神的緊張、感染などにより誘引される嘔吐症で、血中にケトン体(アセトン)が多い状態になる。自家中毒(じかちゅうどく)、周期性嘔吐症(しゅうきせいおうとしょう)などとも言われる。小児に多い疾患で、2-10歳に好発する。

繰り返す事が多いので、保護者は対応策を小児科の専門医などに聞いておく。外見からは全く分からないが、本人は強い吐き気など感じていることを理解する姿勢が大切である。

また、食事療法や日常でのストレスなどに留意し、予防に努める。

(ウィキペディアより引用)

 

……先ほどの先生の説明が難しく書かれているだけでした。

 

点滴開始から4時間の時点で行った尿検査では、ケトンの値が下がっていなかったので、点滴を延長することに。

3時間後の次の検査でも値が改善されていなかったら、入院して一晩中点滴…というところだったのですが、最後の検査で値をクリアー!

さらに、この時、15分授乳しても吐かなかったので、帰宅が許可されました。

 

IMG_6772_Fotor▲すぐにオエッとなってしまうので、こんなふうにタオルぐるぐる巻き状態でテレビを見ています。

 

翌日も、少し食べては吐き……を繰り返していたものの、その間隔は徐々にあき、体内に入れられる水分量も少しずつ増え、みるみる症状は改善していきました。

 

ここ数日のむすめの様子を見た、わたしの母(むすめの祖母)は、

 

「そういえば、あなたも、幼稚園頃から、ときどき原因不明の嘔吐と腹痛があって、なんども入院してたんだけど。

 いろいろ、検査もしたんだけど、結局わからなくてね。小学校3年生くらいになったら、すっかりなくなったんだけど……。

 もしかして、あれ、自家中毒だったのかしらねぇ?」

 

とポツリ。

 

おかーさん、それまさに、自家中毒ですね!!

わたしも、3歳から8歳位まで、自家中毒で苦しんだということですね!!

そして、そんなわたしを看病する母も、いまのわたしのように一緒に苦しんでくれていたのでしょう…。

 

遺伝するようなものではないのでしょうが、むすめは、わたしの体質(性質?)に似てしまったということなのかな。ごめんね……。

 

さて、保育園入園から2週間で初めて発症したむすめの自家中毒でしたが、その後はすっかり元気になり、楽しく保育園に通えるようになりました。

 

IMG_6866_Fotor▲あんなにイヤだと泣いていたのが嘘のように、「まま、しぇんしぇー、いくよ!」と笑顔で玄関を飛び出すようになりました!

 

もう大丈夫! これからは、楽しいことがいっぱいの毎日が待ってるよ!

 

が。

思わぬ落とし穴!?があり、約8カ月後に、2度目の自家中毒を発症してしまったのです……。

 

続きは、『[後編]2度目の発症でむすめの「トリガー」に気づいた冬』へ。

 


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