【連載】ほっこりびより[その6]
息子(いーくん・3歳)が、いつものように人形で何やらひとり遊びをしていると、パタッと手を止めてこう言いました。
「いーくん、おともだちいないから、はやく赤ちゃん産んで…?」
「う、うん…(ごめんよ、母ちゃんTwitterばっかりで、会って遊べるような現実のママ友少なくて…)」
かなり申し訳なくなりながらも、カレンダーを数枚めくり予定日を指して「このくらいには会えるかな〜」と言いました。
ぱあっと表情が明るくなったいーくん。
「そうだ、赤ちゃ〜ん! いーくんがお話してあげる〜♡」
と、突然、私のお腹の中にいる妹に、話しかけました。
おおお、いーくんがそんなことするの初めてだ!
これってなんだか、ドラマとかによくある【THE 幸せなシーン】って感じじゃない!?
何話してくれるのかな〜?
聞き漏らすまいと、しっかり耳を傾けます。
「むかしむかし。
いーくんが海にいくと、大きな桃を、みちゅけました。
おうちにもって帰って、寝てたら、桃から桃太郎が、うまれてきました!!」
ほう、桃太郎のお話しを聞かせてあげてるのね。
海じゃなくて川だけど……、でも、意外に話せるもんなんだなぁ。
しかしここから、いーくんが普段怖がっている鬼が登場する場面。
戦闘シーンも苦手なはず。
そのあたり、端折らずに話せるのかな…??
「お父さんとお母さんと桃太郎が、鬼退治にいったら!」
…あ、いーくんは行かないのね。
「お豆をポン!となげたら!」
ん? 豆?
「そしたら鬼が、逃げちゃったぁぁぁああ!!」
「はぁ〜〜♡ めでたし〜めでたし〜♡」
…いーくん、これ、途中から節分になってない!?
なんかよく分からないけど、達成感に満ち溢れた様子の息子を見たら何も言えませんでした。
妹ちゃん、こんなお兄ちゃんが、きみと一緒に遊べる日を楽しみにしているよ〜!