むすめが2歳5カ月のころのお話です。
冷たい雨が降る1月のその日。
保育園からの帰りに、私とむすめはバスに乗っていました。
今日、保育園でどんなことをしたの?
給食は、何が美味しかった?
ママはね、お昼にちゅるちゅるパスタを食べたんだよ。
そんな会話をしていたなかで、むすめが、ポツリと言いました。
「ねぇ、ママ。おかしいね」
なんだろう? なにもおかしなことは、私には思い当たりません。
「どうしたの? なにがおかしいの?」と、聞いてみると、
「だってさ、だってさ、
クリスマス、もうおわっちゃったのにさ!」
とのこたえ。
むすめは、年末に大好きなクリスマスが終わってしまったことをとても寂しがっていました。
そのことに関係があるんだろうか?…と、頭を悩ませていると、むすめが、
「ママ、これだよ、これ」
指差す先を見ると…
こんな注意書きが。
「もう、クリスマスおわっちゃったのに、おかしいよね、これ」
なるほど…。
緑と赤の配色が、むすめにはクリスマスを連想させたんですね。
「おほしさまも、あるでしょ?」
1行目の黄色い文字から、むすめにはおほしさまがイメージされたようです。
私は、むすめに指摘されるまで、この注意書きを読もうとすらしていませんでした。視界の片隅に入っていたかどうかすら、怪しいくらいです。
大人が見落とすたくさんのことを、ちいさな瞳は捉えているんだなぁ。私も一緒に見て感じていかなくては。
そんなことを改めて認識しました。
「ねぇ、ママ。
これ、クリスマスおめでとう、ってかいてあるんでしょ?」
と言って私を振り返るむすめ。
本当のことを教えるべきなんだとはわかってはいたのですが、どうしても彼女の世界観を崩したくなくて、
「ううん、ちがうよ、クリスマスたのしかったね、また来年ね、って書いてあるんだよ」
と答えてしまった私は、ダメなママなのかな…。
むすめが楽しみにしている今年のクリスマスは、もうすぐ。
私が読んだ注意書きの「また来年ね」のメッセージを覚えているかはわかりませんが、たくさん歌って、たくさん飾り付けして、今年のクリスマスも楽しみたいと思います。
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