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「いざというときは、日常の延長にある」〜震災の教訓を活かして「防災と公園」を考える

 

東日本大震災では、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生したと報告されています。街中が家路へ向かう人々で溢れかえった光景を記憶している方も多いことと思います。

国は、こうした災害時にも柔軟に対応できる強くてしなやかな国づくり「国土強靭化」を推し進める中で、「平時活用/有事利用」をひとつのコンセプトとして掲げています。

災害が発生した時のためだけに整備をするのではなく、平時にも利用できるような仕組みにしていこうという考え方です。

 

bousai01▲帰宅困難者想定で日比谷公園へ避難

 

公園を拠点に地域資源活用の訓練

2016年2月8日(月)、日比谷公園にて東京都・千代田区主催帰宅困難者対策訓練が行われました。

日比谷公園での訓練に登場したのが、「V2X帰宅困難者サポートステーション」。

近隣の企業などが持っている資機材と、地域にある電動車・燃料電池車を活用した「平時活用/有事利用」の支援の取り組みです。この日はトヨタ、ホンダ、日産、三菱の4社の協催により電力供給の訓練が行われました。

 

bousai02▲1台の電気自動車から一般家庭3軒分の電力を出力

 

bousai03▲非常時の利用手順を実際に体験

 

また、日比谷公園に常設されている「かまどベンチ」を利用して、炊き出し訓練が行われました。

平時はベンチとして利用され、災害時には炊き出し用のかまどになる、まさに平時活用/有事利用を形にしたアイテムです。

 

bousai04▲平時はベンチ、座面を外すとかまどになる「かまどベンチ」

 

bousai05▲いざというときテントに早変わりする「防災パーゴラ」

 

道具は備えておくだけでなく、使い方を知っていてはじめて、いざというとき役立てることができます。

こうした訓練は、有事の際自分にできることを知ることにもつながります。

 

bousai06▲温かい食事のありがたみを体感

 

公園を日常使いするという当たり前のこと

今回の訓練の場にもなった「公園」。避難場所や活動拠点として指定されていたり、小さな公園でも防災機材が整備されていることが多くあります。

しかし、それが普段まったく利用することのない公園だったらどうでしょうか。

どこにどんな公園があるのか、どんな設備があり、周辺にはどんな人が住んでいるのか。知っているのといないのとでは、いざというときの安心感も、できることも全く異なるのではないでしょうか。

 

bousai07▲平時の日比谷公園かまどベンチ

 

平時活用/有事利用のポイントは、「平時」にこそあります。それは資源の有効利用ということだけでなく、有事の行動は日頃の行動の延長線上にある、ということでもあります。

では公園の平時活用とは、どういうことでしょうか?

それはシンプルに、普段から公園を楽しむことではないでしょうか。公園を生活に身近な場として、日常使いすること。公園に行くことで、ゆるやかに地域参加すること。

 

bousai08▲公園が日常生活の中にあること

 

防災訓練も日常の一コマです。

訓練に参加し、支援する立場・支援を受ける立場をそれぞれ体験することで、自分自身も地域の助け合いの一員であることを実感することができるでしょう。

 

bousai09▲コミュニティの強さが災害を乗り切る力に

 

最近公園に行っていないという方は、まず散歩から、そしてベンチに腰を下ろしてみませんか。それが、いざというときに繋がる「日常」のはじまりかもしれません。

 

※本記事は「PARKFUL | 公園をもっと楽しく、もっと身近に。」の記事をもとにCheers! mama編集部が一部編集して掲載しています。

 

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